フライフィッシング

《フライ用品のハンドクラフト》

 
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ファールドリーダーの製作

最近流行っているファールドリーダーの製作です。

ファールドリーダーの利点
ティペッテッド・リーダーと比べてファールドリーダーはティペットを付け替えて使うため、一本のファールドリーダーで何種類ものティペットに対応出来、ティペットの交換で何回も使えて経済的にも優れおり。撚り糸で出来ているファールドリーダーは、しなやかで、短くてもドラッグが掛かりにくく、短いためキャスティングも楽になり、何方でもピンポイントのキャスティングがロングリーダーと比べて比較的簡単に出来るようになります。

使い方は、バッド側、ティップ側共にループトゥーループで止め、ファールド・リーダーにはフロータントを塗り使います。また、ティペット側はループトゥーループで直に繋ぐとファールドリーダーを傷めると同時にティペットの交換時大変なので、リーダー側をループにしたエックステンダーをループトゥーループで取り付け、ティペットはそこに結ぶと良いと言うことです。(ティペットもループトゥールーでも良い)「ファールドリーダー -> エックステンダー(ティペットより太い釣り糸を20〜25センチ) -> ティペット」と言うことになります。

素材を変えて、グデブロッドの8/0とユニスレッド8/0両方で作って見ました。何の根拠も、ハッキリとした違いも分りませんが、個人的な感想ではグデブロッドの方が強くてしなやかな様な気がしました。ユニスレッド8/0の方が多少張りが有り・・・キャスティングが楽かな??
ただ、タイイングをされる方ならお気付ききだと思いますがユニスレッド8/0はカラーに依り張り(固さ)が違うので一概に言えないかも知れません。

エックステンダーは本来無くても良い物ですから、ティペットを交換するたびに短くなりますが気にする必要はありません。極端に短くなったり、次回釣行時に取り替えれば大丈夫です。又、短くなるのが嫌な方はティペット側もループトゥーループで止めます。

利点ばかりでなく当然欠点も有ります。
張りがないためロッドに絡みやすい。雨の日にはリーダーが直ぐに水を吸い、リーダーが沈み易くなる。また、一概に欠点とは言えませんが、同じ長さのナイロン製テーパー・リーダーと比べると柔らかいためターンオーバーし難い。しかしファールド・リーダーはこのシナヤカさが最大の利点なので・・・
それと、風の有る時には”シナヤカ”な分風に弱いと思います。

実際に使用した個人的な感想としては雨の日にはお勧めできません。晴れた日なら水を含んでも直ぐに乾くのですが、雨だとどうしようも有りません。

実験中
しなやか過ぎて使い辛いと思う方は(私も)シルクライン等に使うリンシードオイルで張りを持たせると良いかと思います。今期(平成19年)は試せませんでしたが来期実釣で試す予定です。試した結果次第で、このページも変更いたします。
実釣で使っていませんが、程々の張りが出て「良いのでは?」と考えている次第です。当然シナヤカさが奪われるので、「シナヤカ」を追求される方には不向きだと思います。
私の場合リンシードオイルをファールドリーダーに染み込ませ、軽くティッシュで余分なオイルを拭き取り、2〜4週間ほど乾燥させるだけです。その後”ミューシュリンの赤”などのフロータントを十分に塗り込めばOKです。
乾燥直後はかなり堅くなりましたがミューシュリンを5〜6回塗ったところ、柔らかさを取り戻し、最終的にはかなり柔らかくなり、個人的にはもう少し堅い方が良さそうですが、実釣で使用してから又ご報告いたします。

勿論、ラインを沈めたい場合はミューシュリンは塗り込みません。

ちなみに、リンシードオイルとは「総称で亜麻仁油」と言い(亜麻の実から採った油)、工業用に精製された物が”リンシードオイル”、特別な製法で食用に作られた物を”フラックスシードオイル”と言うそうです。リンシードオイルは画材店で簡単に入手できます。
リーダーは2〜4週間乾燥させると実用可能ですが、気温が高く、日当たりの良い程乾燥が早くなります。また、完全に乾燥するには1年ほど掛かるそうで、乾燥が進む程に堅くなると言う事です。


 
ファールドリーダー

 

◎渓流で使う#3、#4のロッドでしたら一般的にはユニスレッドの8/0で作る事が多いようです。左の物はグデブロッドの8/0タイイング用スレッドで製作しました。私はグデブロッドの方が強い様な気がします。
また、長さは5.5フィートから6.5フィートで十分だと思います。

渓魚に目立たないようにと思い、ブラウンも作りましたが、これはNGでした。移動の時などリーダーを掴もうとすると見難くて!!

 

リーダー長
D
E
C
F
B
5フィート
165
139
116
90
60
5.5フィート
180
160
135
105
70
6.5フィート
220
185
155
120
80
7フィート
235
205
175
135
90
8.5フィート
280
240
200
155
100
Furled Leader チャート、図中A,Gからの長さ(センチ)

 

A〜Gには予め、それぞれスレッドを掛ける為の棒を物を立てて置きます。1と2は棒を立てずに印だけにし、スレッドを撚った後止めるだけですから、画鋲などで留めればいいと思います。

初めにスレッドの端に輪を作りAに掛け、AーBの間を5回転し、そのままCへ掛け、CーBを3回転させます。CーBを3回転させた後に今度はDに掛けC-D間を一回転し、そのままEへ・・D-E間を1回転、E-F間を3回転、F-G間を5回転と、A-D間と同じように掛けていき、最後に初めと同じに輪を作りGへ掛けて終わりです。
結果、A-Bは5回転半、B-Cは3回転半、C-Dは1回転半、D-Eは1回転半、E-Fは3回転半、F-Gは5回転半に成ります。

 

 

◎左図の様にB、C、E、Fではそれぞれ糸の間を通します。例えばB-Cに回す時にBの所で、A-Bに掛けた糸の間を通します。その後も全て糸の間を通すことでA-G全てが繋がる事になります

 

全てを掛けたら、Aの糸をフックを付けたリュータに掛けて、B、Cに掛かったスレッドを外し、1の位置まで撚ります。Gに掛けた糸もE、F、を外し2の位置までリューターに掛けて撚ります。1、2.の位置は全長の10%短くなる所です。撚りを掛ける時には一定のテンションを掛けて、糸を引きながらリュターを回転させます。

リューターは先に壁などの付けるフックを付けて糸を掛けます。



Dに掛けた糸にオモリを掛け(撚る前に掛けると楽)、1と2に掛けた糸にも両方を合わせてオモリを付け、D及び1&2を棒から外し、持ち上げると自然に撚れて来ます。
この時両方を同時に外すと糸がよじれてしまいますので、Dを掛けたまま、1と2を合わせたバッド側を引きながらよじれない様にします。、

最後に、大体撚れたリーダーを高い所から吊るし、オモリの回転が止まり糸が一本に撚れたところで、下記の方法でループを作り完成です。 下記方法でループを作るのが難しいとお感じの方は両端を瞬間接着剤で止めて完成です。

 

 

◎ファールドリーダーのループの作り方
ファールドリーダーは最後に、バット側、ティペット側ともにループを作ります。
画像グリーンの糸がファールドリーダーだとします。初めに完成したファールドリーダーで右図の様にループを作り、リーダーの編み込んだ中を通したピンクの糸を引き、ファールドリーダー自信を裏返す様に引くとループが完成します。
接着剤などは一切使用しません。

こうする事で結び目の無い、綺麗で段差の少ないファールド・リーダーが出来ます。 この「結び目が無い」と言う事は使用時に、ティペットが絡み難くなり、かなり影響します。

使用している間にループが締まって、小さくなる事があるため、制作時には”多少”ループを大きめに作ると良いと思います。

ループ

道具はこれだけ、後は素材となるスレッドとさえ有ればOKです。

90mm*2600mmの板に5mmの丸棒を上図の所に差して製作台を作りました。私は、長すぎて収納が大変なので1300の長さで切断し蝶番を付けました。

 

尚、スレッドを止める位置を変更することで自由にテーパーを変更できます。一般的で無難なリーダーはグラデーション部分1に対しバッド部分を3にします。上図で言えばA-Bが94センチ、その他B-Dは各々30センチと言うことになります。
また、シンキングラインなどで使いたい場合はフロロカーボン製釣り糸で編むと言うことです。