フライフィッシング

《フライ用品のハンドクラフト》

 
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【ネットの編み方】

インターネット上で多く公開されている3カ所に減らし目を入れる編み方ですと、完成時に横から見て”レの字型”に成ります。以前は私も同じような編み方をしておりましたが現在は4カ所に減らし目を入れた方法で編んでいます。
今回、この比較的簡単に編め完成時”Uの字型に出来る方法を公開いたします。 簡単と言っても、暇を見て編んでいると2〜3週間、根を詰めて1日中編んでいても2〜3日は掛かると思います。

また、 手間を掛けてもネットの底が綺麗な”U”字型が良いとお思いの方には「「フライフィッシングギアのハンドクラフト教書」に紹介された方法が手間は掛かりますが出来上がりは綺麗に成るようです。

 


1.必要な物は左から、クレモナ糸・9本縒り(3号)、適当な幅に切った下敷きなど(目の大きさを決めるメジャーになる)、編み棒、芯にする糸。私の場合、目の幅は12mmのフレー材の余りを使っています。
この場合、出来上がりの編み目の大きさは一辺が12mmで伸ばすと24mmの網にに成ります。

A) 白のクレモナ糸(ビニロン系)を染料で好みに色に染めます。クレモナ糸は漁網店で安価に購入できるようです、また各種オンラインショップからも編み棒と共に手軽に入手が可能です。
染色を編んでから行うという方もいらっしゃいますが、編み終えて色が良くない時には悲惨です。編む前に染色し、失敗の時には捨てた方が良いと思います。
B) 渓流ではクレモナ糸は9本縒り(3号)が普通です。

尚、此のネットはフレーム穴数40、深さ23目の物を上から下へ編んでいます。


2、初めに芯になる糸で輪を作ります。(芯になる糸は張りのあるフライライン等が良いと思います。画像はブレイデッドループ用の素材)

3、クレモナ糸を先端を40センチほど余らせ芯の糸に結びます。14段目(減らし目を行わない段数+減らし目の間/2)まで使いますので余分に余らせないと途中で足らなくなった時には糸を継ぎ足すことになります。

注、減らし目を始めるまでの段数と、減らし目の間(18目)が網の深さになります。(今回、5+18=23)


4、下記の結び方で”フレームの穴数-1”(39)だけ結んでいきます。始めに編む数は「フレーム目数-1」です。

A) 普通は初めの段だけは広めに編む事が多い様で、メジャーにするの板を幅広の物を用意します。画像は都合により全て同じメジャーで編んでいます。

尚、この段階で79目編んでしまい、2段目の増やし目を止めれば、市販のネットでよく見かける、一番上のフレームに付く部分を二重にしたネットが出来ます。この場合増やし目の方法はご自身でアレンジして下さい。(説明6の箇所)

B) 結び方(最下行の図も参照)この結び方は始めだけで、これ以外は全て”蛙又結びです。


5、一段目の最後(39編んだ後)は、初めに余らせた糸と”蛙又結び”で結び2段目へ移ります。
左からの糸を右の糸(初めに余った糸)の上から下に通し蛙又結びで結ぶ訳です。

A)以後、始めに余らせた糸は各段の最期と結び、その段の最期の目を作り、次の段に進みます。

従って、最期のつなぎ目は普通に繋ぐので最終的には40目
(39+1=40)に成ります。(+1と言うのは最初と最後を結んだAの部分)。 また、3段目以降は80目に成ります。

蛙又結び(最下行の図も参照

A) 始めに下段の下から上へ糸を通す。

B) 次に上から、一段目の輪の下を通し、右側に輪を作る。

C) 出来た輪の中を通す。画像では分かり易くするために緩くしてありますが、実際には初めに一段目の輪の中を通した糸はもっと引いておきます。
全体をキツク閉めて完成です。


6、二段目は”増し目”をする。一度縛った一段目の輪にもう一度蛙又結びで縛る。
a.まず一番初めに余らせた糸と編んできた糸(編み棒に巻いてある方)を 蛙又結びで結びます。これで一段目が全て編めた事になると思います。
b.そこで結び終えた糸をメジャーの巾で同じ「上記a」の部分に結ぶと 左画像の2段目初めの輪?が出来ると思います。
c.次はbで来ところでメジャーの巾で今度は次の輪の頂上と結ぶとブルーの 糸の画像2段目左から2つ目の大きな輪が出来ます。
d.後はb、c、の繰り返しです。

A) 2段目の終わりも1段目と同じように最後の目を、初めに余らした糸と蛙又結びで結び合計80目になる。。(画像は結び途中、最後は”説明5”と同じになる)


7、3段目以降は”増し目”はせずに1対1で編み進みます。(80目のまま3、4、5段目を編む)


8、途中で編み棒に巻いた糸が無くなると思いますが無くなった時には継ぎ足す糸と継ぎ足される糸を重ねて蛙又結びで糸を継ぎ足します。
従って、継ぎ足す部分は2本の糸で蛙又結びをするため結び目が2重になります。


9、6段目からは減らし目を入れて底に向けて網を絞って行きます。(一段編む毎に4目小さくなる)何処に入れるかは下記の計算になります。

A) 減らし目の位置
{80-4(減らし目の数)-網の深さの目数(今回は18)*2}/2=20」編み初めの位置から9目編んで次を減らし目に、そこから20目編んで再び減らし目と成ります。詳しくは下図を見てください。
ちなみに、7段目以降の減らし目は、目のかたちが違うので数えなくても分かります。しかし、気を付けないと見逃します。

B) 7段目以降は、7と同じようにの減らし目すると右図の様に四角になります。


10、14段目まで編むと、減らし目の位置が編み始めの位置(始めに糸を余らせた部分)と一緒になります。
A) この時減らし目は左図の様に次の目の山の部分(上画像、A)と結び、減らし目を行います。

A.初の余らせた糸と編み終わりの結び目
.Aから9目普通に編んだ後に減らし目を入れる
.1の減らし目から20目普通に編んだ後に減らし目を入れる
.2の減らし目から18目普通に編んだ後に減らし目を入れる
.3の減らし目から20目普通に編んだ後に減らし目を入れる

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11、以後、段毎に同じ場所で減らし目を入れ2つの減らし目(2〜3と4〜1)の間が無くなるまで同じよう編んで行く。
右図黒線が減らし目の間隔が無くなった処。右図1〜4が上図減らし目14

12、底編み。黒線の部分が編み終えたら次の段は青線の様に右図Bの位置まで今までと同じように編みます。後は、Bの位置から赤線の様に左右交互に編み目無しで編めば完成。

尚、この編み方ですと右図の様にピッタリ合わなず、最後の目が長方形になりますので適当に合わせてしまえば問題ありません。

底

完成。後は芯の糸を引き抜きフレームに付けるだけ。

糸を継ぎ足した部分は完成後、結び目に瞬間接着剤を一滴垂らすと結び目がゆるみません。

☆私の場合、暇を見て編んで、一つ編むのに1〜2週間ほど掛かり、おそらく早い方が根を詰めて一日中やっても2日は掛かると思われ・・・・難しくはないのですが結構面倒です!!

もう少し網を深くされたい場合は、初めの5段(減らし目を入れない部分)を6段以上にすればいいと思います。ただ、私の好みからするとこの深さでも十分で、もう一段浅くても良いかと思うのですが、一段浅くすると浅すぎるようで・・・結局はこれで良いということですかね!?
また、実際にフレームに付けた時には自重で垂れ下がりますから画像より深く感じます。


・減らし目
7段目以降は四角くなります。

・蛙又結び


・1段目の結び方
「フライフィッシングギアのハンドクラフト教書」ネッツの編み方は勿論、ランディングネットの製作、バンブーロッドメーキングは有名バンブーロッドテーパー一覧なども有り、有用な一冊です。