X表示を基準にした表です。X表示を基準にしていますので号数は近似値になります。又各社9X以下に付いては自社基準と言う事に成っているようで、表1(M社)の表が全てのティペットに当てはまる訳ではありません。
日本のX表示のティペットに付いて調べた結果、各社8Xまでは殆どUSAの基準通りになっているようですが、アメリカでは殆ど販売されていない9X以下については、日本国内販売に限る為か?、各社の思惑(販売戦略)で自社規格と言う事でX値を適当に決めて販売しているようです。
そもそも米国基準の9X以下の糸は細すぎて現実的では在りません。また日本国内でAFTMA(米国釣具製造組合)の規格に従う必用間全くないでしょうから。
M社VのX表示は以下(表1)の様に成っていますが、他社でも「9X=0.2号」、10X=0.15号」で販売されており、AFTMAの定めたX表示とはかけ離れています。
そもそも11Xとか12Xなんて規格が在ったのかな〜?
ちなみに、X表示を定めた米国釣具製造組合のX表示の基準値と号との関係は以下(表2)のようになり。ナイロン糸で0.06号なんて見た事も在りません・・・だからUSAでは8Xまでしか無いのでしょうね!?と言うか日本の実情からすると基準に問題があるように見えるのですが・・・元々アメリカの基準ですから仕方在りませんね!?
日本国内でいい加減に9X以下を決めている方が問題かも!?日本のX規格として各社統一してくれれば良いのですが・・・
注意、日本国内でもダイリキやフロッグヘアー(逆輸入)のティペットが購入できますが、当然これらはAFTMA規格に準じた物ですから8Xや9Xに成ると国内の他社製10X以下のティペットに成りますから注意が必要です。
表1、AFTMAの基準(AFTMAの基準は本来インチ表示なので号数などは近い値を当てはめています)
X 表示 |
直径インチ |
直径mm |
号数 |
0X |
0.011 |
0.279 |
3.0 |
1X |
0.010 |
0.254 |
2.5 |
2X |
0.009 |
0.229 |
2.0 |
3X |
0.008 |
0.203 |
1.5 |
4X |
0.007 |
0.178 |
1.0 |
5X |
0.006 |
0.152 |
0.8 |
6X |
0.005 |
0.127 |
0.6 |
7X |
0.004 |
0.102 |
0.4 |
8X |
0.003 |
0.076 |
0.2 |
9X |
0.002 |
0.051 |
0.1 |
10X |
0.001 |
0.025 |
0.06 |
表2、号数と直径(mm)
号数 |
直径ミリ |
1.0 |
0.165 |
0.8 |
0.148 |
0.6 |
0.128 |
0.5 |
0.117 |
0.4 |
0.104 |
0.3 |
0.090 |
0.2 |
0.074 |
0.15 |
0.064 |
0.125 |
0.059 |
0.100 |
0.053 |
表1、M社、T社のX表示と号標示の太さを比べて見ました。 7XまではAFTMA規格の数値と大体同じようですが、8X以下は日本だけの規格のようです。
X 表示 |
AFTMA(mm) |
号数 |
V直径mm |
T直径mm |
M直径mm |
0X |
0.279 |
3号 |
0.29 |
0.28 |
0.30 |
1X |
0.254 |
2.5 |
0.26 |
0.26 |
0.25 |
2X |
0.229 |
2.0 |
0.24 |
0.23 |
0.22 |
3X |
0.203 |
1.5 |
0.20 |
0.20 |
0.20 |
4X |
0.178 |
1.0 |
0.165 |
0.16 |
0.17 |
5X |
0.152 |
0.8 |
0.148 |
0.14 |
0.15 |
6X |
0.127 |
0.6 |
0.120 |
0.12 |
0.12 |
7X |
0.102 |
0.4 |
0.104 |
0.10 |
0.10 |
8X |
0.076 |
0.3 |
0.096 |
0.09 |
0.09 |
9X |
0.051 |
0.25 |
0.086 |
0.08 |
|
10X |
0.025 |
0.2 |
0.077 |
0.07 |
|
11X |
|
0.175 |
0.072 |
|
|
12X |
|
0.15 |
0.067 |
|
|
比べてみるとV製は他社と比べると、同じX標示でも殆どの場合太いようですね、8Xは他社の7Xに近く。V製を使う場合全てV製にすればバランスがとれるようです。
ちなみに、私の場合6X〜8Xまでは、買うときの気分でマキシマまたは餌釣りのナイロン糸を使い、それ以下は渓流用フロロカーボン0.2号、0.15号を使っています。
簡単に言ってしまえば、0.8号=5x、0.6号=6x、0.4号=7x、0.3号=8x、と成るのが一般的なので、これに準じて購入しています。
”糸”に興味をお持ちの方の参考のために、ナイロンとフロロカーボンの特性を纏めてみました。
ナイロン糸とフロロカーボン糸の比較 |
---- |
ナイロン(N) |
フロロカーボン(F) |
フロロカーボンの特性、(対ナイロン) |
比重 |
1.14 |
1.78 |
水に沈みやすい。 |
吸水率 |
8〜10% |
0.01% |
水を吸って弱くならない、撥水性がある。 |
伸び率 |
20〜45% |
17〜37% |
しなやかさに欠ける。アタリが伝わり易い。 |
耐紫外線 |
50時間/50% |
1000時間/0 |
紫外線に依る劣化が殆どない。 |
耐摩耗性 |
小 |
大 |
擦れなどに強い。 |
柔軟性 |
大 |
小 |
糸に柔軟性が無い。 |
屈折率 |
1.53 |
1.42 |
水に近く目立たない。 |
結節強度 |
75〜90% |
65〜75% |
結び方が難しい。(慣れが必用) |
|
ナイロン糸とフロロカーボン糸には以上のようなデータが有りますが、最近のナイロン糸には耐紫外線加工、耐摩耗性加工、撥水加工された物もあります。また、フロロカーボン糸にも
柔軟加工 を施された物もあり、上の表は参考程度にお考え下さい。
表を見ても分かる通り、フロロカーボンは丈夫な上に延び少ながないため、低加重では余り延びず、合わせ切れすると言われる事もあります。また、良くナイロン糸のスプールをベストの外に吊している方を見受けますが、紫外線をまともに受ける可能性があり、この場合の糸の強度は一日の釣行で50パーセントも減ってしまう可能性もあります。
従いまして、ナイロン糸の場合強度を考えると、良好に携帯しても1シーズンで全て交換した方良いと思います。フロロカーボンの場合には数年間は強度の低下が有りません。
私の場合、使用頻度の低い「5X、0.2号、0.15号」はフロロカーボンにし、使用頻度の高い「6X、7X、8X」をナイロン糸にしています。
ナイロン糸は湿度と紫外線により劣化しますので、保存には紫外線が入らず湿度も低い冷蔵庫が良いと言います。